北大路魯山人の魅力に迫る! 作品の特徴や人気の理由を徹底解説KITAOOJI ROSANJIN

北大路魯山人(きたおおじろさんじん)という名前は、誰もが一度は聞いたことのあるはずです。ところが何をした人物なのかは、分からないと言う人も少なくありません。なぜなら北大路魯山人は、芸術家としてだけでも画家・陶芸科・書道家・漆芸家・篆刻家などの顔を持ち、さらに料理家・美食家としても有名だったのです。唯一無二の芸術家だった北大路魯山人について、作品の特徴や人気の理由などを紐解き、魅力に迫っていきましょう。

1. 北大路魯山人とは?経歴を紹介

まずは、北大路魯山人の経歴について紹介していきましょう。

1-1. 書に目覚めた少年時代

北大路魯山人は、1883年3月23日、京都にある上賀茂神社の社家の次男として生まれます。本名は、房次郎と名付けられました。良い家柄ながらも生活は貧しく、父は房次郎の生まれる前に自殺、母も失踪して、6歳にして養家である福田家に落ち着くまで、さまざまな家を転々としなければならなかったのです。食事にありつくのも大変だった辛い時期が、食へのこだわりを培ったのかもしれません。この頃から書の才能を発揮し、小遣い稼ぎのために書の懸賞に応募していたそうです。 20歳に実母を頼って上京すると、岡本可亭に弟子入りして書家を目指します。翌年日本美術協会展・書の部に出品すると「褒状一等二席」を受賞しました。弱冠21歳での北大路魯山人の受賞は、前代未聞でした。朝鮮で芸術一般を学んだ後、30代になると文人や陶芸家、資産家や趣味人などとの交友関係が始まったのです。

1-2. 食にこだわる中で本格的な器の制作に

大きな転機は、友人と共同で古美術骨董店を開いた37歳の頃でした。高級食材たっぷりの手料理を、取り扱う古美術の器でふるまうようになったのです。たちまち財政界で人気となり、会員制料亭「美食倶楽部」の始まりとなったのです。会員は瞬く間に200名以上にもなり、食器が足りなくなったことから自分で器作りに取り組むことにしました。「星岡窯」を設立すると、理想の器作りに没頭し始めました。1930年には何と会員が1000人を超えていたものの、北大路魯山人の横暴さに不満を持つ人が増え、1936年には料亭を追放されてしまったのです。

1-3. 陶芸に打ち込んだ晩年

料亭を追放され、戦後の経済的な厳しさもある中で、北大路魯山人は星岡窯にこもって作品作りに没頭しました。生涯に制作した作品は、20万点から30万点とも言われています。作品の直売所を銀座に開店すると、在日の欧米人からも人気を集め、世界的に有名な陶芸家として知られるようになりました。 北大路魯山人には人間国宝への推薦が2度あったものの、「芸術家は位階勲等とは無縁であるべき」と、どちらも固辞したと言います。

2. 北大路魯山人作品の特徴・人物像とは?

次は、北大路魯山人の作品の特徴や人物像に迫っていきましょう。

2-1. 北大路魯山人の作風とは?

さまざまな芸術活動を行った北大路魯山人ですが、とくに人気のあるのは陶芸作品です。全国各地には北大路魯山人のコレクターがいて、北大路魯山人の器だけで料理を提供するのにこだわっている料理店なども存在します。 北大路魯山人の器の特徴は、「自由でダイナミックな絵付け」が挙げられるでしょう。精巧に作られた美しい器に、ダイナミックな絵付けが施されています。また、器もろくろも使わず作られた作品たちからは、激しさや大胆不敵さも感じられることでしょう。

2-2. 北大路魯山人の人物像とは?

美を厳しく追及する北大路魯山人は、自分の作品作りへの厳しさはもちろん、対人関係においても遠慮なく自分の考えを口にする厳しい一面があったと言われています。体格もよく威圧感もあったのでしょう。相手の痛い所を突くことも多く、煙たがられることも少なくありませんでした。それでも、そのような人間性をも凌駕する芸術の才能は、北大路魯山人の死後も称賛され続けているのです。 北大路魯山人は食に対する造詣も深く、国民的人気を誇るグルメ漫画『美味しんぼ』の登場人物の1人、辛辣に料理を批評する美食家「海原雄山」のモデルとなったのは有名でしょう。

3. 北大路魯山人の代表作とは?

ここからは、北大路魯山人の代表作を見ていきましょう。

3-1. 織部釉長板鉢

長さが50cmほどもある、まさに大きなまな板のような細長い器です。なめらかな一般的な器とは異なり、あえて波打った形状なのが特徴です。また、この凹凸を活かして色の濃淡が表現されています。

3-2. 雲錦鉢

全体に楓と桜が表にも裏にもスピード感たっぷりに豪快に描かれた鉢です。発色を考え、土にもこだわって作られている、初期の代表作です。

4. まとめ

北大路魯山人は、「元祖マルチアーティスト」とも言うべき、多彩な美食家・芸術家です。作品数の多いことで知られますが、セットになっているもの、代表的な作風のものなどは高値で売買されるのが特徴です。 「アート飛田」では、美術品全般(有名作家工芸作品や絵画・茶道具、古美術品など)の買取りを行っております。確かな目を持つ鑑定士が無料で鑑定いたしております。北大路魯山人作品の買取りをお考えの方も、ぜひお持ちください。