板谷波山
2024年04月02日

板谷波山(青磁香爐) ITAYA Hazan

東京美術学校彫刻科を卒業(岡倉天心や高村光雲らと学を共に)、明治40年の東京勧業博覧会に「磁製金紫文結晶釉花瓶」を出品し三等を受賞するなど数々の賞を受賞後、帝室技芸員を拝命。陶芸家として史上初めての文化勲章を受章し、また陶芸を芸術ととらえた上で昭和30年人間国宝指定打診を辞退。芸術の基礎を学んだ陶芸家として伝統陶芸ではない近代美術陶芸を確立した先駆者であり、近現代において並ぶものなき偉大な陶芸家として評される我が国最高の陶芸家【板谷波山】(1872-1963)作。 代表作に「葆光彩磁珍果文花瓶」(泉屋博古館蔵・重文)、「彩磁延寿文花瓶」(出光美術館蔵)、「彩磁禽果文花瓶」(敦井美術館)などを遺し、現代の陶芸史に計り知れない影響を与えた陶芸家です。 本品は中国青磁に敬慕を示しつつも、自らの美意識と創造性を加味し製作された「青磁香爐」です。 総体に貫入が走り、さらには緩やかな段を持つ巧みな堆線の器形、底の土見部をのぞく総体に美しき青磁釉がたっぷりと施釉され抜群の景色となっています。 深いオリーブ色の青磁釉は筆舌しがたいほどの深い味を持ち、その輝きはまるで宝石のようです。 凛とした静謐さの中に極めて格調高きオーラが全身から迸り、圧倒的存在感をもって見る者を魅了する、ただただ素晴らしい、陶聖 板谷波山最高峰の青磁作品です。

作品名 青磁香爐
作家名 板谷波山
高さ 10.7㎝
9.9cm