2024年03月28日

ヨーロッパの有名絵画とは?世界三代名画について詳しく解説!

美術史がそこまで詳しくないという方でも、教養の1つとしてヨーロッパで有名な絵画を知っておくのがおすすめです。実は、ヨーロッパには世界三代名画と呼ばれるものがあります。今回は、世界三代名画を中心として、そのほかの押さえておきたいヨーロッパにおける有名絵画についてもご紹介します。

1. ヨーロッパで有名な世界三大名画

世界には、三大名画と呼ばれる作品があります。地域によってその定義に差があり、ベラスケスの「ラス・ メニーナス」、レンブラントの「夜警」、エル・グレコの「オルガス伯の埋葬」、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」という4つの作品のうち3つが取り上げられることが多いようです。ここでは、それぞれの作品と、その画家について詳しく解説します。

1-1. ベラスケスの「ラス・ メニーナス」

ベラスケスは、スペインの三大画家の1人です。その代表作「ラス・メニーナス」は1656年に制作されたもので、現在はスペインにあるプラド美術館で展示されています。
ラス・メニーナスとは、女官たちという意味を表しており、あどけない表情の残るマルガリータ女王を中心に、周りには王女を見守る王と王妃という構図が特徴的です。実は、左奥に位置しているパレットを持った男性は、ベラスケス本人とされています。

1-2. レンブラントの「夜警」

レンブラントが描いた夜警は1642年に制作されました。現在は、アムステルダム国立美術館に所蔵されています。写生表現の可能性を追求した作品で、輝く金属の質感や布地の光沢、小道具の細かい装飾など技巧が光る作品です。手前中央に位置するのは、隊長と副官で、会話を行っている様子がみて取れます。その後ろには帽子をかぶって剣や槍を持っている人、旗をあげている旗手などもみられます。レンブラントの技巧が光る、今にも動き出しそうな躍動感を持った集団肖像画です。

1-3. エル・グレコの「オルガス伯の埋葬」

エル・グレコが描いたオルガス伯の埋葬は、1586年から1588年にかけて制作されました。現在は、トレドにあるサント・トメ聖堂に所蔵されています。モチーフはタイトル通りオルガス伯ルイスの埋葬のシーンで、聖ステファノと聖アウグスティヌスが現れたという伝説の場面です。下半分は実際の埋葬のシーン、そして上半分には天井の情景が描かれており、聖母マリアやキリスト、洗礼者ヨハネなどが見られます。生き生きとした人物の描写が印象的な絵画です。

1-4. ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」

ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は、1503年から1506年ごろに制作されたと言われており、現在はルーブル美術館に所蔵されています。世界でもっとも有名な絵画とされており、その謎めいた女性の微笑みが魅力的な作品です。この女性のモデルはリザ・デル・ジョコンドと考えられていることから、別名では「ラ・ジョコンド」とも呼ばれています。絵画で主に用いられている技法は、スフマートと呼ばれる輪郭線を意図的に描かない技法です。そのため、唇や目なども少しぼやけた柔らかい印象に仕上がり、全体に生命力を加えることに成功しています。

世界でもっとも有名であるだけでなく、もっとも高価な価値を持つ絵画でもあり、盗難にあったり、傷つけられたりと行った騒動も引き起こしています。

2. その他にも沢山あるヨーロッパの有名絵画

ここでは、上記の世界三大名画の他に有名なヨーロッパの絵画をご紹介します。

2-1. サンドロ・ボッティチェッリの「プリマヴェーラ」

イタリア語で春を意味するのが「プリマヴェーラ」です。サンドロ・ボッティチェッリが1482年に制作した作品で、フィレンツェにあるウフィツィ美術館に所蔵されています。中央にいる愛の女神ヴィーナスの左側には輪になって踊る3人の女神が位置しており、左側から愛欲の女神、純潔の女神、愛の女神です。また、一番右側には西風をモチーフとするゼフュロスがニンフのクロリスに抱き着こうとしている様子が伺えます。
クロリスの左側にいる美しい衣装をまとっている女性は、ゼフュロスの手に触れてフローラに生まれ変わったクロリスの姿です。そして、一番左にはヘルメスという男性がいます。多数の登場人物による美しい構図が印象的な名作です。

2-2. ピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」

ピーテル・ブリューゲルは、フランドル絵画を代表する画家として知られています。「バベルの塔」は、1563年に製作され、現在はオランダのロッテルダムにあるボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に所蔵されています。バベルの塔は、旧約聖書の物語をモチーフとして描かれた作品です。
神に少しでも近づくために天に届く塔を立てようとしたものの、その傲慢さに怒った神が世界をバラバラにし、バベルと呼ばれるようになったという内容です。スケールの大きな世界観が特徴の作品で、見る人の目を引く細かい書き込みが魅力となっています。

3. まとめ

今回は、ヨーロッパの絵画のなかでも世界三大名画を中心として、有名なものを詳しくご紹介しました。これらの有名絵画は、まさに教養としても押さえておきたいものばかりです。なかなか日本で見る機会はないものの、ぜひその背景や画家に親しんでみてください。
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