2024年04月05日

複製画って偽物と違うの?その種類や価値、購入方法についてご紹介!

自宅に美術作品を飾りたいけれど、絵画を購入するのはハードルが高すぎると感じている人も多いのではないでしょうか。そういった方におすすめしたいのが、複製画です。複製画は、世界の名作をお手頃な値段で購入できることから、インテリアとしても高い人気を集めています。今回は、複製画とは一体どういったものなのか、種類や価値、購入方法について詳しく解説します。

1. 複製画とは

まずは、複製画とは一体どういったものなのか、その定義を解説します。

1-1. 複製画の定義

複製画は作者、もしくは著作権者の合意のもとで模写・模作されている作品のことを指します。そのほとんどが大量生産できる方法で作られているものです。たとえばシルクスクリーン版画や木版画、銅版画などは、前提として複製するのが当たり前の美術作品であることから、複製とは呼びません。

1-2. リトグラフとは?

複製画の技法の1つとしてリトグラフがあります。版画の一種で、版面が石素材でできたものを指します。 リトグラフを使うことで、画家が描いた作品を高い精度で再現することが可能です。たとえば、19世紀に活躍した「ミュシャ」も、金や銀などを使った豪華なリトグラフを残しています。また、全ての工程を作者が1人で行ったもの、もしくは作者の監修のもとで制作したものをオリジナルリトグラフと呼びます。
オリジナルリトグラフは、シリアルナンバーと作者のサインが入っているのが特徴です。複製画と比べると、オリジナルリトグラフの方が価値の高い傾向にあります。なぜなら、複製画は作者がいなくとも制作できるのに対し、リトグラフは作者自身が制作するものだ

1-3. 贋作(偽物)と複製画の違い

贋作とは、悪意を持って他の人の作品を複製した上で本物であるかのように見せているものを指します。つまり、複製画であるにも関わらず、そのことを隠して本物として販売されているのが贋作です。一方で、複製画は作者の許可を得て制作しているという違いがあります。残念ながら、業界には数多くの贋作が存在し、見極めるのが難しいのが現状です。

2. 複製画の種類

現在世の中に流通している複製画のほとんどは、美術印刷を行ったものと、美術印刷を行ったものに職人が実際に手を加えたものの2つに分かれます。それぞれの特徴を詳しく紹介します。

2-1. 美術印刷でできた複製画

世の中に流通している多くが美術印刷によってできた複製画です。有名な名画であれば複数のメーカーから販売されていることも多くあります。近年プリンターによる印刷技術が発達し、そのクオリティも上がってきているのが現状です。3Dで画家の筆跡をコピーしたり、当時の絵の具に限りなく近づけた色味を利用したりと、精度が高まっています。また、油絵具のタッチを凹凸で表現したものもあります。
美術印刷によって作られた複製画の魅力は、何といってもそのコストの安さです。いざ自宅にアート作品を迎えようとするとどうしてもコストがかさんでしまいますが、複製画であれば名画を数万円程度で手に入れることが可能になります。その気軽さが美術印刷で作られた複製画のメリットといえるでしょう。

2-2. 美術印刷に職人の手が加わった複製画

複製画の中には、美術印刷を行った上から実際利用されている絵の具と同じものを利用して、職人が手で彩色を施した複製画も存在します。これらの複製画は巧芸画とも呼ばれています。実はこの技術は有名な日本画家である横山大観によって編み出されました。実際に彩色を行う職人は、絵画の修復なども手掛ける熟練した技術を持つ人ばかりです。そのため、複製画とは思えないような美しい仕上がりになります。安っぽいものではなく本格的な重厚感のある複製画を求めている人におすすめです。

3. 複製画の価値とは?

複製画は売却できないのではと考えている方も多いのですが、場合によっては高く買い取ってもらえる可能性もあります。もちろん、原画ほど高い値段で売れるわけではありませんが、著作権者に許可を取って複製しているものであれば美術品としてきちんと評価されます。とくに精巧なレプリカであれば、美術品としての価値が高く、しっかりと買取価格がつくことも珍しくありませ。また、ゴーギャン・モネ・シャガール・ラッセンなどは人気が高いため、クオリティによっては高値も期待できるでしょう。

4. 複製画の購入方法

美術印刷された複製画は、インターネットのショップなどでも簡単に手に入ります。また、クオリティの高いものであれば複製画販売業者が開催している即売会で購入するのもおすすめです。人気の工房では、購入希望者が多くなかなか手に入らないこともあります。また、美術系のオークションでも販売されているので、気になる方はチェックしてみてください。

5. まとめ

今回は、複製画とは一体どういったものなのか、種類や価値について詳しくご紹介しました。複製画は作者もしくは著作権者の許可を得て制作したものを指します。印刷技術の発達と共に、そのクオリティは年々高まっています。ぜひ、お気に入りの作品の複製画を探してみてください。
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