女性をモチーフにした有名な絵画とは？女性画家の有名な絵画作品も解説！

レースの帽子の少女は、1891年に制作されたルノワールの作品です。現在はポーラ美術館に所蔵されています。ルノワールは、印象派を代表する画家で、1870年代以降には良家の子女をモチーフに肖像画を描き人気を博しました。「レースの帽子の少女」が描かれたのは、真珠色の時代と呼ばれる時期です。少女の透き通った美しい肌質はもちろん、ぷっくりとした唇、さらに柔らかい金髪などが少女の可憐さと美しさを表現しています。そして、さらに目を引くのがレースの大きな帽子です。繊細なレースの質感を柔らかいタッチを使いながらもいきいきと表現した名作です。

モネは光をうまく取り入れた風景画で有名な画家です。ルノアールと同じく印象派の巨匠とされており、「睡蓮」や「印象・日の出」などの作品は、誰もが一度は目にしたことがあるはずです。そのように風景画を得意としたモネが日傘を差した女性をテーマにして3枚の絵画を描きました。モデルは モネの最初の妻であったカミーユ、5歳の息子であるジャンといわれています。2人が散歩を行っている道中に、後ろを振り返っている瞬間が切り取られています。降り注ぐ光と人物の影とがうまく調和した、美しい色彩感が魅力の作品です。

こちらの肖像画は、1907年にクリムトによって制作されました。モチーフとなったアデーレという女性は、ウィーンの実業家であるフェルディナントという男性の奥さんです。彼女は、クリムトの親友でもありパトロンでもありました。この肖像画はフェルディナントの注文によって制作されたという背景を持ち、クリムトらしい金箔や銀箔を多用した豪華な装飾が特徴です。彼女の洋服や周りに描かれた美しい複雑な模様が目を引く 一方で、彼女の顔周りや肌の質感などは大変リアルに描かれています。この金色と銀色の装飾が彼女自身をより一層引き立てる役割を果たしていることが分かります。

「フォリー・ベルジェールのバー」は、82年に制作された絵画です。舞台は、当時パリで1番大きな劇場であった「フォリー・ベルジェール」の内部にあるバーです。華やかな劇場のイメージとは裏腹に、女性の少し憂鬱な表情が目を引きます。これは、この劇場では売春の取引が行われていたという、パリの社会の裏側を表現しようとしたのではないかと考えられています。一見、遠近法を無視して描かれているかのように感じますが、これらには全て論理的な根拠があるというのが批評家の見解です。テクニカルに構築された構図と人物の捉え方の巧妙さにより、世界中で高い人気を集めています。

マリー・ローランサンは、キュビストの1人として知られている画家です。ブラックやパブロピカソなどに影響を受けたとされており、その曲線的なデザインと柔らかいパステル調のカラーが特徴とされています。パリの上流夫人の中では、彼女に肖像画を依頼することが流行になるほど大変人気を博しました。日本ではとくに高い人気を集めており、いわさきちひろも彼女から影響を受けたことを明かしています。代表作としては 『ココ・シャネル嬢の肖像』や『接吻』などがあげられます。

フローダ・カーラは20世紀のメキシコを代表する女性画家です。つながった1本の眉毛が印象的な自画像を見たことがある人も多いことでしょう。セルフポートレートを書くようになったのは、事故によって大怪我を負ったことがきっかけとされています。彼女は、民族芸術の第一任者としても知られており、メキシコの風習や自然動物などを作品に多く取り入れているのが特徴です。また近年では、彼女の女性としての生き方に注目が集まりフェミニン・アートとしても評価が高まっています。代表作は「Self portrait the frame」、「My birth」などがあります。