古美術の資格はある？古美術に関する資格や業者の見極め方をご紹介

古美術品を売却する際、できるだけ高い金額で買取ってもらいたいものです。適切な価格で売却するには、優秀な鑑定士が在籍する古美術商に買取ってほしいでしょう。古美術の鑑定資格や国家資格があるのか、気になるところです。ここでは古美術に関する資格や、鑑定力の高い業者の見極め方をご紹介します。

1. 古美術に資格はある？

古美術は、鑑定士によって価値を評価されるのが一般的です。古美術にはどのような資格があるのか紹介します。

1-1. 古美術の国家資格はない

古美術の国家資格は存在しません。資格がなくても古美術鑑定士と名乗ることは可能です。しかし、古美術を鑑定するには、美術品に関する深い知識とともに、古美術の市場価値に関する情報も必要となります。美術品に関連する国家資格に学芸員の資格もありますが、学問的に美術品を鑑定することが趣旨となります。そのため、学芸員は古美術の買取などの商業的価値を鑑定する資格ではありません。

2. 良い古美術商の見極め方

良い古美術商を見極める方法としては、次の3つのポイントがあげられます。

2-1. 長年続いているお店

良い古美術商を見極めるポイントは、長年続いているお店であることです。新しいお店が悪いわけではありませんが、長年続いているのは、多くの人が買取価格に満足し、信頼を得ているからです。価値の高い古美術品も適切な査定をしてもらえる可能性が高いので、安心して持ち込めるでしょう。

1-2. 古美術の民間資格

古美術の資格は公益財団法人による民間資格「美術品鑑定士」があります。美術品鑑定士は古美術を含む美術品の鑑定技術を証明する資格です。十分な知識がないままに鑑定士と名乗る人が増えたため、鑑定士の地位を底上げするために作られた資格です。この資格をきっかけに、美術鑑定の透明度を増すことが期待されています。

1-3. 古美術を売買するための認可

古美術の鑑定に資格は必要ありませんが、古美術を売買するための認可は必要です。管轄の警察署から都道府県の公安委員会に申請し、認可を得る必要があります。ただし、古物商許可に美術的な知識は必要ありません。

2-2. 専門ジャンル

古美術商には、それぞれ専門としているジャンルがあります。中国古美術を得意としているお店もあれば、西洋古美術を専門にしているお店もあります。売りたい作品と同じジャンルを得意としているお店を選べば、専門性の高い査定をしてもらえるでしょう。

2-3. 買取と販売の両方を行っている

古美術商には「買取専門」又は「買取と販売」と大きく2つのタイプがあります。買取専門店の場合は、買取った作品を業者に卸し、別の販売店に買取られ再販売されるシステムです。間に業者が入るため、買取価格は安い傾向にあります。買取と販売の両方を行うお店は、買取った作品を業者に通さず直接販売するため、買取専門店より高額で買取ってもらえる可能性は高いでしょう。

3. 古美術品で高い価値がつく可能性の高いジャンル

古美術品の価値は、作家や作品の時代背景だけでなく、トレンドにも左右されます。高い価値がつく可能性の高い古美術品のジャンルは、次の3つがあげられます。

3-1. 絵画・掛け軸

絵画や掛け軸は、著名な画家の作品であれば高く買取られる可能性が高いでしょう。保存状態が悪いものでも高値がつく場合があり、保存状態の良いものはとくに貴重とされます。歴史的な出来事や文化的な変遷と深く関連している場合、コレクターの興味を引き、市場価値が高まり高値のつくケースもあるでしょう。

3-2. 陶磁器

陶磁器は安土桃山時代中国から伝わり、有名な作家の作品は名声や影響力から、高い価値がつくこともあります。古い陶磁器の中には、製造された数が限られているものや、製造された当時においても高価だったために希少なものがあります。良好な状態で保存されている陶磁器は、歴史的な価値や美的な価値を保持しやすく、高い査定を得られるでしょう。

3-3. 彫刻品

彫刻品は木彫りや石造りなど、さまざまな素材のものがあり、有名作家の作品が数多く存在します。作家によって作風が異なり、その時代の文化を反映する作品は、高い査定のつきやすい傾向があります。保存状態によっては、高額査定が期待できるでしょう。

4. まとめ