古美術とは一体何？茶道具や陶器など、ジャンルごとに詳しく解説！

古美術品は、その名前の通り、年代物の美術作品のことを指します。しかし、その他の骨董品や、中古の品物などと比べて、美術的な価値が高いというのが大きな特徴です。今回は、古美術とは一体どういったものなのか、さらに茶道具や陶器などそれぞれのジャンルに分けて詳しく解説します。

1. 古美術とは？

古美術とは一体どういったものを指すのでしょうか。ここでは、その意味や定義などを深掘りします。

1-1. 古美術とは何か？

古美術とは、陶磁器や彫刻、家具などの美術品を指し、骨頭品よりも美的鑑賞に重きを置いたものとされています。また、時代やジャンルにはっきりとした定義があるわけではありません。そのため、捉え方によっては骨董品なのか古美術なのかで意見が分かれることもあるでしょう。しかし、共通して言えるのは美術的価値が高いものであることです。

古美術という言葉が広まったのは第二次世界大戦以降といわれています。戦後、欧米各国から西洋の美術品が多数日本に持ち込まれるようになりました。その結果、美術品に興味を持つ国民が増え、古い日本の作品を含めて一気に価値が見出されるようになりました。現在でも、時代を越えた美しい作品が、古美術として愛好家によってコレクションされています。

1-2. 骨董品と古美術

古美術は、骨董品の中のジャンルの1つです。アメリカでは、製造から100年以上が経過した工芸品・手工芸品・美術品が骨董品であると定義されていますが、日本の場合には数十年前に制作されたものでも骨董品扱いされることが多くあります。広い骨董品というジャンルの中でも、とくに美術的価値の高い、数十年前に制作された美術品のことを古美術と呼びます。

2. 古美術のジャンル

ここでは、数ある古美術作品の中でも、人気の高いジャンルについて詳しく解説します。

2-1. 茶道具

日本でとくに人気の高い古美術が茶道具です。お茶の文化は、平安時代の末期に始まり、戦国時代でも戦いの褒賞として取り扱われるなど高い価値を保ち続けました。具体的にいうと茶碗、茶釜、水指、茶筒などがあげられます。その他にも、茶室に飾る掛け軸や屏風、香合なども茶道具のジャンルに含まれるでしょう。古美術の世界では、川喜田半泥子、浜田庄司、加藤唐九郎、河井寛次郎などの作品が高い人気を集めています。

2-2. 陶磁器

陶磁器は、茶道具を含まない磁器と陶器をまとめた総称です。陶器は土から作られているのに対し、磁気は石を細かく砕いたものから作られています。陶磁器には多くの種類がありますが、その中でも中世から生産が続いている瀬戸焼、常滑焼、越前焼、信楽焼、丹波立杭焼、備前焼のことを日本六古釜と呼んでいます。これらは、歴史も古く、価値が高いものも多い傾向にあるでしょう。その他にも有田焼や美濃焼、唐津焼、志野焼なども、古美術の世界で高い人気を集めている陶磁器です。さらに、ノリタケや大倉陶園、香蘭社、たち吉などのメーカー品も高い評価を集めています。

2-3. 工芸品

工芸品は、機能性と美術的な美しさを併せ持つ工作物のことを指します。主に手作業で製作されており、鑑賞専用でなく実用性を兼ね備えているのが特徴です。昔は多くの生活用品が職人の手によって製作されてきました。美術性のある高価な工芸品もあれば、実用性を重視した安価な工芸品までさまざまなものが溢れていた時代です。一見、古美術としての価値は、美術性の高いものだけと思いがちです。しかし、一般向けの安価なものであっても実用的に使われ続けたことで、生活骨董として高い価値を生み出すものもあるでしょう。 また、工芸品の中でも、ある一定の要件を満たすものを伝統的工芸品と呼びます。100年以上継承されていることや、主要部分が手作業で作られていることなどの要件をクリアしているもののみが、伝統的工芸品として認められます。たとえば、宮城伝統こけし、会津塗、結城紬、江戸切子、箱根寄木細工、西陣織、熊野筆、博多人形などです。

2-4. 絵画

古美術の中には絵画も含まれます。絵画というと、油絵などの洋画をイメージする方が多いのですが、もちろん日本画や掛け軸なども絵画の1つです。また、書画と呼ばれる書作品と絵画を指す古美術のジャンルもあります。書画は、大きく分けて和物と洋物があり、和物は文字が書かれた書や日本画、さらには中国の巻物なども含みます。洋物は、油絵の具で書いた洋画や版画などのことです。

3. まとめ