2024年04月03日

現代アートの有名作品とは?現代アートの定義についてもわかりやすく解説!

現代アートというと、難しそう、定義がわからない、とっつきにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。現代アートは枠にとらわれない自由さが魅力のアートです。世界には私たちをあっと驚かせるような作品も数多く発表されています。ここでは、そもそも現代アートとは一体どういったものなのか、さらに世界で有名な作品について詳しくご紹介します。

1. そもそも現代アートとは?

そもそも現代アートとは一体どのようなものなのでしょうか。ここでは、現代アートの特徴を詳しくご紹介します。

1-1. 現代アートのスタートとは?

現代アートは、第二次世界対戦以降に広がった美術です。多くの人を巻き込んだ戦争が終わり、人間の理性とは何だろう、そもそも理性とは一体何だろうかと考える人が増えました。この理性の否定から、物や文字を無作為に配置したような作品などが生まれます。このような活動は長く続かなかったものの、その後の現代アートのスタートにつながる土壌が完成しました。

1-2. マルセル・デュシャンの「泉」

現代アートの最初の作品といわれているのがマルセル・デュシャンの泉です。1917年に開催されたアンデパンダン展に「泉」 と名付けた作品を出品しました。小便器を横に倒した形で置き、リチャード・マットという匿名のサインをした作品です。この作品は大きな反響を呼び、後にマルセル・デュシャンは現代アートの父 と呼ばれるようになりました。 デュシャンは「アートとは、鑑賞者が思考を巡らせることで完成する」という考えを持っていました。このように見ただけですぐに理解ができるものだけでなく、鑑賞者にいろいろな想像を膨らませてもらうことでアートが完成するという考え方です。

1-3. 固定概念にとらわれない自由な発想

現代アートでは、固定概念にとらわれることない自由な発想が評価されます。 絵画や彫刻などのクラシックな表現方法だけでなく、パフォーマンスや映像などの作品も多いのが特徴です。また、取り扱われるテーマとしては、時代を映し出したような政治問題や環境問題、ジェンダーギャップなど幅広いものが取り上げられています。最先端の現代アートとしては、NFTを発表する作家も多くいます。NFTというのは、オンリーワンのデジタルデータのことです。

2. 現代アートの有名作品

ここで、現代アートの中でもとくに有名な作品について解説します。

2-1. ダミアン・ハーストの「The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living」

ダミアン・ハーストはイギリスの現代美術家で、羊やサメなど動物の死体をホルマリン漬けにした作品を多く発表しています。代表作は、ガラス容器にイタチザメを入れ、ホルムアルデヒド溶液に漬けたインパクトのある作品です。 これらの作品は、学生時代に死体安置所でアルバイトをした経験に基づく生死感から制作されました。2022年に東京で行われた展覧会でも約4万人を動員し、日本でも高い人気のある現代アーティストとなっています。

2-2. ジャン=ミシェル・バスキアの「黒人警察官のアイロニー」

ジャン=ミシェル・バスキアは、1960年にアメリカのブルックリンで生まれました。若い頃はストリートアーティストとして地下鉄や壁などにアートを残し、20歳頃にバスキア名義でグループ展に参加するようになりました。彼のルーツがハイチとプエルトリコ系にあることもあいまって、アフリカの民族問題や人種問題も多くテーマに含まれています。 また、記号や文字が多く含まれているのもグラフィティ出身アーティストならではの特徴といえるでしょう。代表作の1つである「黒人系警察官のアイロニー」は、人種差別に言及した作品です。アフリカ系の警察官が白人社会に制度化され飲み込まれている様子を表現した、印象深い作品となっています。

2-3. キースヘリングの「Radiant Baby」

キースヘリングは、グラフィティアートで注目を集めるようになったポップアーティストの1人です。グラフィティ アートの他にも、グッズ販売や舞台デザインなども幅広く手がけています。代表作である「Radiant Baby」は、光り輝く赤ん坊という意味を持っています。これは人間の内に秘めた純粋さを表現したものです。この作品は、さまざまなグッズにもアレンジされ、多くの人に愛されています。

2-4. バンクシーの 「Girl with Balloon」

バンクシーはイギリスを中心に活躍するストリートアーティストです。スプレーを利用して世界中の壁にその作品を残しています。本当の姿を見せていないことからも高い話題性を集め、偽物の模倣アーティストが出現するほどの注目を集めています。 「Girl with Balloon」という作品は、2018年にオークションに出されたものの、落札とともにシュレッダーにかけられたというスキャンダルによってさらに有名になりました。実は、額縁にシュレッダーが仕掛けられていてそのパフォーマンスも含めて作品となりました。現在は、裁断されてしまったこの作品は 「Love is in the bin」(愛はゴミ箱の中へ)という名前に改名されています。

3. まとめ

今回は、現代アートの中でも有名な作品について詳しくご紹介しました。現代アートは、型にこだわらず自分の思いを自由に表現するアートです。目の前にある作品だけでなく、そこに込められた想いを想像することで初めてアートが完成します。ぜひ、魅力的な現代アート作品を楽しんでみてください。 兵庫県西脇氏にあります「アート飛田」では、西洋美術や古美術、絵画、茶道具などの美術品全般を取り扱っております。創業88年に及ぶ鑑定買取の実績があり、心を込めてお取引をさせていただきます。また、現代陶芸については人間国宝級の作品も随時取り揃えておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。