2024年04月03日

絵画の世界には三大巨匠がいる!絵画の三大巨匠を解説

昔から絵画の世界には三大巨匠といわれる画家たちがいます。三大巨匠はその時代の絵画の動向などを造り出した先駆者で、その活動は現代絵画にまで影響を与えているのです。今回は誰もが知っている世界の三大巨匠から、日本画の近代化を推しすすめた精鋭など、よく知られた日本の三大巨匠も解説します。

1. 近代日本画の三大巨匠

日本画においては、横山大観(よこやまたいかん:1868-1958)・川合玉堂(かわいぎょくどう:1873-1957)・川端龍子(かわばたりゅうし:1885-1966)が、近代日本画の三大巨匠といわれています。三者三様の活動を行ないながら、お互いが交流し、刺激を与えながら、独自の画境を切り開きました。

1-1. 横山大観

横山大観は1868年に茨城県で生まれました。東京美術学校第一期生として、岡倉天心や橋本雅邦の薫陶を受けています。日本美術院の創立に参加し、新しい日本画の創造に邁進しました。富士山を題材とした日本画は人気が高く、数々の名作を残しています。明治・大正・昭和と日本画壇をリードし続け、1937年(昭和12年)に、第1回文化勲章を受章しています。

1-2. 川合玉堂

川合玉堂は1873年に愛知県で生まれ、14歳で京都の日本画家・望月玉泉に学び、のちに円山派の幸野楳嶺に師事しています。23歳で東京画壇に移り、橋本雅邦に学び狩野派を極めています。玉堂は日本の自然をこよなく愛し、四季が織りなす美しい自然の風物詩を情趣豊に、写実的に描く独自の境地を開拓しました。1940年(昭和15年)に文化勲章を受章しています。

1-3. 川端龍子

川端龍子は1885年に和歌山県で生まれました。はじめは洋画を目指して学びますが、後に日本画に転向しています。大正時代に入ると、自由かつ大胆な着想に基づく意欲的な作品を発表しました。豪放なる大画面主義を押し進め、「会場芸術」と評される通り、展覧会場で多くの人が鑑賞できる大作を次々と発表していきました。 近代日本画の発展のために、それぞれ独自の活動を努めた横山大観・川合玉堂・川端龍子の3人は、それぞれ異なる画風ながら主義主張を超えた交流を図り、近代日本絵画の発展に努めた三大巨匠です。

2. 日本の絵画の三大巨匠「日本画三山」

日本の絵画の世界で三大巨匠としてよく知られているのが、杉山寧(すぎやま・やすし:1909-1993)・髙山辰雄(たかやま・たつお:1912-2007)・東山魁夷(ひがしやま・かいい:1908-1999)の三巨匠です。 苗字に「山」の字のつくことから「日本画三山」と称されています。また、戦後の日本画壇で、三者が同じように革新的な方向性を示したこともあり、三山としてまとめられています。

2-1. 杉山寧

杉山寧は1909年東京都生まれで、東京美術学校を首席で卒業後、戦後の日本画への逆風の中で、新たな日本画の創造に励みました。類まれなる描写力と大胆ながら知的な画面構成が優れた日本画家です。文化勲章受章者で作家の三島由紀夫の岳父でもあります。

2-2. 髙山辰雄

髙山辰雄は、1912年大分県で生まれ、東京美術学校日本画科を首席で卒業しました。卒業後は画壇の瑠爽画社に参加します。また、ゴーギャンの生き方や画風に影響を受け、鮮やかな色彩と、簡略化された色面構成の作品を発表しています。1982年に70歳で文化勲章を受章しました。

2-3. 東山魁夷

東山魁夷は1908年神奈川県横浜生まれ、東京美術学校卒業後、25歳の1933年にドイツへ留学し、ベルリン大学美術史科で学んでいます。戦後は日展に出品し、「残照」で特選を受賞しています。その後は、「東山ブルー」とよばれる青や緑を印象的に使って描かれた風景画が有名で、昭和を代表する画家の一人です。現代日本画を代表する画家として活躍した、文化勲章の受章者です。

2-4. 雑誌の表紙絵が人気

日本画三山のうち、杉山寧と髙山辰雄は、文芸雑誌『文藝春秋』の装画を手掛けたことでよく知られ、功績も高く評価されました。東山魁夷は『保健同人』、総合雑誌『日本』、文芸雑誌『新潮』の装画を手掛けています。三山ともに当時の人気文芸誌の装画において、実力を遺憾なく発揮しました。

3. ルネサンスの三大巨匠

世界に目を広げてみると、15世紀末から16世紀初頭のイタリア、ルネサンス期に活躍した、三大巨匠がいます。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの三人です。現代まで続く名画の作者で、歴史の教科書にも美術の教科書にも登場します。

3-1. レオナルド・ダ・ヴィンチ

レオナルド・ダ・ヴィンチは人類史上、もっとも有名な絵画『モナ・リザ』の作者として知られています。また、レオナルド・ダ・ヴィンチは画家としてだけではなく、自然科学の研究者や兵器開発者としても功績を残し、幅広い学識や教養を備えた「万能の人」とよばれているのです。 さらに、レオナルド・ダ・ヴィンチが43歳のときに制作したと伝わる『最後の晩餐』は、現代美術にも通じる遠近感のある一点透視図法を用いて、画面に描かれている各人物の表情や動作が表現されています。

3-2. ミケランジェロ

ミケランジェロの代表作は、バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の祭壇に描かれた『最後の審判』です。1541年に完成した『最後の審判』は、祭壇後方の壁一面に描いたフレスコ画です。キリストの再臨と、神による全人類に対する最後の裁きが描かれています。今でも西洋美術の最高傑作の一つに認められています。また、ミケランジェロは、フィレンツェのアカデミア美術館にある彫刻『ダヴィデ像』の作者としてもよく知られているのです。

3-3. ラファエロ

ルネサンスの三大巨匠の一人、ラファエロ・サンティは、レオナルド・ダ・ヴィンチの影響を強く受けたといわれます。バランスと調和を大切にし、落ち着きのある人物表現と、安定した構図で絵画を描いています。 また、ラファエロはもっとも多くのデッサンを残した画家としても知られ、徹底的に人物像の研究を重ねました。ラファエロは37歳の若さで亡くなったものの、その後の絵画の世界に大きな影響を残した天才でした。

4. まとめ

日本のみならず海外においても、絵画の世界は三大巨匠とよばれる画家が存在しています。それぞれ異なる個性ながら、お互いに影響しあい、各自が進化を続けました。やはり3人となると、自分と異なる2人を見ることで視野が広がり、刺激も複数受けるため影響が大きくなるようです。 「アート飛田」は兵庫県西脇市上野にある、88年続く骨董店です。長く近代美術工芸・絵画・茶道具・古美術品全般の売買を行なってまいりました。当店は長年のキャリアから、三大巨匠の作品はじめ、よりよい作品を見抜く目に自信を持っております。また、当店はお客さまとの強いつながりを大切にし、商品を通し「心」が通じるよう日々精進努力しております。絵画などの古美術品についてどのようなことでも当店にご相談ください。