2024年04月04日

西洋美術の様式と有名な絵画とは?それぞれの特徴を詳しく解説!

西洋美術における絵画といえば、あまりにも数が膨大です。いまいちよく把握できていないという方も多いかもしれません。それぞれの様式と時代の流れを理解しておくことで、それぞれの作品の魅力や価値が理解しやすくなります。そこで今回は西洋美術における様式の変遷と、それぞれの時代の代表的な絵画について詳しくご紹介しましょう。

1. 絵画を理解するうえで欠かせない西洋美術の様式

西洋美術について理解するためには、その流れをある程度理解しておくのがおすすめです。ここではとくに押さえておきたい美術様式を、その時代の有名な絵画と共に解説します。

1-1. ルネサンス美術

ルネサンスはイタリア語で「再生」という意味を持つ言葉です。美術はもちろん、建築などでローマ文化に目が向けられた時代です。それまではキリスト教に関わるテーマが多く描かれていました。しかしルネサンスに入ると人物画や風景、風俗などがテーマとして取り上げられるようになります。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」 や、ヤン・ファン・エイクによる「アルノルフィーニ夫妻の肖像」などです。またラファエロの「アテナイの学童」に、ボッティチェリの「春」などの絵画が生まれました。

1-2. バロック美術

バロック美術は、1600年から1700年代初頭までに発展した様式で、イタリアからヨーロッパに広がりを見せました。「歪んだ真珠」という意味を持っており、均一の取れたルネサンスとは違い、ダイナミックな臨場感のある絵画様式が特徴です。代表的な絵画は、レンブラントの「夜警」やフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」などです。さらにカラバッジョの「聖マタイの召命」などがあげられます。

1-3. ロココ美術

ロココ様式は1700年初頭から、1700年代後半にかけてフランスで発達した美術様式です。花模様や ピンク色などが豊富に使われており、優雅な雰囲気の女性が多く描かれているのも特徴です。代表的な絵画としては、ジャン・オノレ・フラゴナールの「ぶらんこ」や、モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールの「ポンパドゥール夫人の肖像」などがあげられます。

1-4. 新古典主義

新古典主義は、華やかなロココ美術を見直そうという動きから始まった美術様式です。古代ローマやギリシャのモチーフが再び注目を集め、格調高い美術に価値が見出されるようになりました。またこの時代には、ポンペイやヘルクラネウムなどの遺跡が発掘されたことも影響しています。代表的な絵画には、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」や、ドミニク・アングルの「グランド・オダリスク」などがあります。

1-5. ロマン主義

ロマン主義は、18世紀後半から19世紀前半にかけて広がった美術様式です。写実性や形式を重んじる新古典主義に代わって、個人の思想や幻想などを自由に描くロマン主義が広がっていきました。それぞれの画家が自分の理想とするスタイルを確立しており、それぞれの画家のスタイルに大きな共通性は見られません。代表的なロマン主義の絵画としては、ウジェーヌ・ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」に、ウィリアム・ターナーの「雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道」などがあげられます。

1-6. 写実主義

写実主義は、19世紀中頃にフランスを中心として広がった美術様式です。実際にあるがままの現実をそのまま描こうという考えが主流です。また新聞や雑誌の登場と共に、大衆層に絵画を鑑賞する機会が広がった時代でもあります。写実主義の代表的な絵画としては、ジャン=フランソワ・ミレーの「晩鐘」や、ギュスターヴ・クールベの「オルナンの埋葬」などがあげられます。

1-7. 印象派

印象派は理想的な美や古典的な形式から脱却し、自分の感覚や目に映った印象をそのまま描こうとした画家たちを指します。光の変化を捉えて同じ風景を何度も描いたモネや、明るく柔らかなタッチが特徴的なルノワールなどが有名です。クロード・モネの「印象・日の出」や、オーギュスト・ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」などが代表作といえます。

また印象派の画家たちに影響を受け、1886年から1905年までにフランスで活躍した画家を、ポスト印象派と呼びます。ポスト印象派は画家によってスタイルが異なるのも特徴で、それぞれが独自の手法を編み出しました。たとえば「星月夜」が有名なフィンセント・ファン・ゴッホです。そして「我々はどこから来たのか・我々は何者か・我々はどこへ行くのか」を描いた、ポール・ゴーギャンなどもポスト印象派の画家です。

2. まとめ

今回は西洋美術の様式とともに、それぞれの時代の代表的な絵画を詳しくご紹介しました。このように西洋美術史は時代ごとに様式が異なり、さまざまな画家のスタイルを楽しめます。ぜひとも絵画を楽しむ際には、その時代背景にも目を向けてみてください。 兵庫県西脇氏にあります「アート飛田」では、西洋美術や絵画などの買取・販売を行っております。創業88年に及ぶ確かな目で、お客様にご満足いただけるようなお取引をいたします。ぜひともお気軽にご相談ください。