2024年04月04日

茶道具の名前と役割とは?茶碗の選び方のポイントも解説!

茶道を行ううえで、さまざまな茶道具の名前と役割を覚える必要があります。とはいえ普段の生活では利用しない道具も多く、覚えにくいと感じている方も多いかもしれません。そこで今回は茶道具の名前と用途についてご紹介します。さらに茶道具の中でも、メインの道具となる茶碗の選び方のポイントについて詳しくご紹介しましょう。

1. 茶道具の名前と用途

まずは茶道具の名前と用途をご紹介します。茶道を行うためには、必要な道具が数多くあります。一つひとつ、名前とその用途を覚えていきましょう。

1-1. 茶碗(ちゃわん)

茶碗はその名の通り、お抹茶をいただくために利用する器を指します。まさに茶道を行ううえでもっとも重要な道具のひとつといっても、過言ではないでしょう。茶碗にはさまざまな種類のものがあり、絵柄やデザインも豊富に用意されています。また季節やいただくお茶の種類に合わせて、利用する茶碗を変えることもあります。

1-2. 茶筅(ちゃせん)

茶筅は、お抹茶を点てるために利用する道具です。ブラシのような形をしているのが特徴で、竹で作られています。たいへん繊細な作りをしているので、傷つけたり壊したりしないよう扱いに注意してください。

1-3. 茶杓(ちゃしゃく)

茶杓は、抹茶をすくうために利用する小さなスプーンのような茶道具です。茶筅と同じように竹でできており、基本的には節が中央にあります。節が端にあるものは、上級者向けのお手前で利用されています。水で洗ってしまうと形が崩れてしまうため、乾いたティッシュで拭き取るなどしてお手入れを行ってください。

1-4. 棗(なつめ)

棗は、抹茶を入れるための器です。棗に形が似ていることから、このように呼ばれるようになりました。さまざまな大きさのものがあるものの、初心者の方は中棗を選んでおくとよいでしょう。美しい装飾が施されたものや、素材の質感を活かしたものなど豊富なデザインがあります。

1-5. 釜(かま)

茶道では、お茶を沸かすための窯も欠かせません。一見地味な印象があるものの、よく観察してみると蓋の部分が龍やひょうたんをモチーフにしたものも多くあります。基本的には鉄でできており、炉用は大きめのもの、風炉用は小さめのものを利用するのが一般的です。

1-6. 柄杓(ひしゃく)

柄杓は、お水やお湯をすくうための竹でできた道具です。竹の表面から切られているものは炉用、裏側から切られているものが風炉用とされています。またどちらにも利用できるよう、垂直に切られている兼用タイプもあります。

1-7. 建水(けんすい)

建水は、茶碗のすすいだお湯を中に捨てるための道具です。材質はさまざまで焼き物や金属のもの、木製のものなどがあります。 

1-8. 茶巾(ちゃきん)

茶巾は、茶碗についた水気を取り除くために利用する布です。麻製のものが主流ではあるものの、衛生面を考えて使い捨ての不織布でできた「新お茶巾」と呼ばれるものも登場しているのです。

1-9. 水差し(みずさし)

水差しは、お茶碗をすすいだりお茶の温度を調節したりするために、必要な水の入れておく器を指します。 本体と蓋が同じ焼き物でできているものを「共蓋(ともぶた)」と呼びます。蓋のみが漆で塗られているものを「塗り蓋(ぬりぶた)」と呼ぶのです。

2. 茶碗の選び方

ここでは茶道具の中でも、もっともこだわっておきたい茶碗の選び方について詳しくご紹介します。使い勝手も考慮したうえで、好きなデザインのものを選んでください。

2-1. 正面が分かりやすいものを選ぶ

茶碗には「正面」があり、抹茶碗の裏に記されている作者印の上側が正面という決まりになっています。 正面は茶碗がもっとも美しく見える位置でもあり、お茶会ではお客様に向けて正面が見えるように差し出すのが、心配りとされています。またもてなされた側は茶碗の正面には口をつけられません。このように茶道では正面が大きな意味を持つため、正面がはっきりと分かりやすい茶碗を選ぶようにしましょう。

2-2. 片手で持ちやすいサイズの茶碗を選ぶ

茶道では茶碗の洗った水を建水に捨てる際に、茶碗を片手で持たなければなりません。茶碗が大きすぎたり重たすぎたりすると、茶碗を落としてしまうことがあります。そのため片手で楽に持てるようなサイズ感のものを選ぶのがおすすめです

2-3. 初心者の方は見込みが広いものを選ぶ

見込みというのは、茶碗の底から中ほどまでの広さを指します。この茶碗の見込み部分が広ければ茶筅を振りやすく、お茶も混ぜやすくなるのです。一方で細長い茶碗は見込みが狭く、茶筅を回しにくくなりお茶も点てにくい傾向にあります。初心者の方は、混ぜやすく安定感のある見込みの広いものを選ぶようにしましょう。

3. まとめ

今回は茶道で利用する道具の名前と用途について、また茶碗の選び方について詳しくご紹介しました。茶道具にはさまざまな種類のものがあり、それぞれ重要な役割を担っています。道具の名前を覚えて、ぜひとも茶道に親しんでみてください。
兵庫県西脇氏にあります「アート飛田」では、数々の茶道具の売買を88年にわたって行っていきました。富本憲吉・河井寛次郎・北大路魯山人、荒川豊蔵・金重陶陽・岡部嶺男ら近現代の巨匠をはじめ、人間国宝級の作品も数多く取り扱っております。取っておきの一品をお求めの方、茶道具の買い取りをご希望の方は、ぜひともお気軽にご相談ください。