茶道に興味がある方にとって、茶道具は価値のあるものです。しかし、興味がない方は、何が基準に価値が決まるのかわかりません。遺品整理などで茶道具を手に入れたものの、価値がわからず持て余している方もいらっしゃるでしょう。ここでは、茶道具買取は作家によって異なるのか、また、査定の基準や人気作家についてもご紹介します。

1. 茶道具買取は作家によって異なる？

1-1. 千家十職

千家十職は、千家の流れを汲む茶道具の制作をする10人の職家を指します。

• 奥村吉兵衛（表具師）
• 黒田正玄（竹細工・柄杓師）
• 土田友湖（袋師）
• 永樂善五郎（土風炉・焼物師）
• 樂吉左衞門（茶碗師）
• 大西清右衛門（釜師）
• 飛来一閑（一閑張細工師）
• 中村宗哲（塗師）
• 中川淨益（金もの師）
• 駒澤利斎（指物師）

1-2. 帝室技芸員

帝室技芸員は、明治23年～昭和22年まで設けられた顕彰制度で、優秀な工芸家や美術家が与えられた栄誉職です。茶道具を作る工芸家としては、伊東陶山や清風与平、諏訪蘇山などがあげられます。

1-3. 人間国宝

人間国宝は、日本の重要無形文化財を保持する、優れた技術者や芸術家に与えられる称号です。その分野での卓越した技術や技能を持つ個人に対して授与されます。大樋長左衛門や坂倉新兵衛、荒川豊蔵などがあげられます。

2. 茶道具買取の査定基準

2-1. 箱と箱書

茶道具買取の査定基準となるのは、箱と箱書です。箱にはいくつか種類があり、共箱と極箱の大きく2つにわけられます。共箱とは、茶道具の作者自身が作者名と作品名を記載した箱のことです。極箱は、茶道具の作者以外の人物が作者や時代を鑑定して記載した箱を指します。極箱は、誰が箱書を書いたかによって査定金額が変わります。また、どのように伝来したかという内容によっても、査定金額は違ってくるでしょう。
極箱とは少し異なりますが、著名な人物の書付がある箱は、とくに高い買取価格がつきます。茶道の流派の家元や、著名な僧侶の書付があれば、高額買取が期待できるでしょう。

2-2. 茶道具の状態

茶道具の状態も、査定基準となります。茶道具は陶器製のものは、落としたりぶつけたりすると、すぐに欠けてしまいます。ぶつけどころによれば、割れてしまうこともあるでしょう。状態が悪いと、買取金額の下がる傾向があります。しかし、市場での需要が高い場合や、人気の高い作家の作品であれば、茶道具の状態が悪くても高額で買取られるケースもあります。

2-3. 品物の真偽

本物であるか、偽物であるかも、茶道具の査定基準です。著名な作家の作品であっても、偽物だと鑑定されると買取価格は下がってしまいます。無名であっても、古い時代に作られた作品であれば、買取価格が高くなるでしょう。

3. 茶道具買取のお店選びのポイント

3-1. 買取実績が高い

茶道具買取のお店を選ぶ時は、買取実績が高いお店を選ぶのがおすすめです。どのような作品の買取実績があり、いくらで買取ったか記載されているお店は、信頼に値します。

3-2. 骨董品の鑑定ができる

茶道具は、リサイクルショップで買取ってもらうことも可能です。しかし、茶道具の専門的な知識を持ち合わせているスタッフでないと、的確な査定は行えません。著名な作家によって作られた歴史ある作品であるのに、古いからという理由で安く買取られることもあります。そのため、骨董品の鑑定ができる買取店を選ぶのがおすすめです。

3-3. 茶道具の市場価格を知っている

茶道具の価格は、時勢によって変動します。高額で取引されていた作品であっても、時期を逃すと買取価格が下がることもあります。反対に、価値がないといわれていた作品が、急に高騰することもあるのです。作家の人気も変動するため、茶道具市場に詳しい買取店を選ぶことが大切です。

4. まとめ