日本三大画家とは誰のこと？押さえておきたい日本画家を解説！

杉山寧は、浅草で生まれ東京美術学校を卒業した画家で、戦後の逆風にも負けずに革新的な活動を行いました。特徴としては、写実性と構成力があげられます。研ぎ澄まされた集中力によって支えられた写実性は、その対象を的確に捉えることを可能にしました。
また日本画の伝統へ革新をもたらしたのが、その恐るべき構成力です。見たものをそのまま構成するのではなく、もっとも魅力的に見えるように再現するための構成を行いました。さらに積極的に海外で旅行へ向かい、カッパドキアやエジプトなどで見た風景をテーマにした作品も多く残しています。代表作には、「磯」「海女」「孔雀」「穹」などがあります。

高山辰雄は大分市に生まれ東京美術学校を卒業した画家です。戦後にゴーギャンの伝記を読み感銘も受けた高山達夫は、その影響を大きく受けた幻想的な画風も特徴としています。また古来の描き方に 洋画の手法を加えたのも高山達夫です。モチーフは人物や自然などが多く、家族のシリーズや裸婦のシリーズなども多く残しています。代表作には「砂丘」「浴室」「食べる」などがあります。

東山魁夷は、横浜市に生まれ東京美術学校を卒業しました。その後ベルリン大学に留学し、日本画だけでなく西洋美術史も学んでいます。主に風景画で多くの傑作を残した画家で、その穏やかさと神秘性から今でも高い人気を集めています。まるで本当に透き通っているような透明感のある色合いや、青と緑を巧みに使って生み出した「東山ブルー」という色合いが大きな特徴です。代表作には「道」「緑響く」「秋翳」などがあります。

上村松園は、京都出身の女流日本画家です。わずか15歳で、第3回内国勧業博覧会で一等賞を獲得し、その才能を開花させました。とくに女性の胸像や上半身像をモチーフにしたものを多く描き、独自の世界観の美人画を数多く残しています。当時は女性が画家を志すことが珍しい時代でした。しかし女性で初めて文化勲章を受賞するなど、その地位の向上にも貢献した画家です。代表作は「源氏物語」をモチーフにした「焔」があります。

横山大観は、茨城県に生まれた画家で、東京美術学校の1期生として知られています。輪郭線を使わずに色の濃さだけで表現する技法を確立しました。このテクニックは朦朧体と呼ばれており、日本の美術に大きな影響を与えたとされています。日本だけでなく、ヨーロッパ・アメリカ・インドを拠点として活動し、世界的にも大きな成功を収めました。代表作には「生々流転」などがあります。

平山郁夫は、広島出身の画家です。被爆を経験したことから、平和へのメッセージを込めた作品も多く描きました。また仏教をテーマとした作品も多く発表しています。代表作としては「シルクロードを行くキャラバン西・月」があります。月夜の中で砂漠を進むキャラバン隊の姿に、平和への思いが込められた味わい深い作品です。

千住博は、東京出身の画家です。東京芸術大学、さらに大学院を卒業し1995年にはベネチアビエン名誉賞を受賞しました。代表作は受賞作品でもある「The Fall」という滝をモチーフにした作品です。勢いよく流れ落ちる水と、澄んだ空気感が美しい空気感を醸し出す作品です。